全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
10.広まる噂
「今日も平和だわー」
私は部屋で伸びをしながら呟いた。
テーブルの上には、紳士用のアクセサリーカタログがたくさん並んでいる。今はサイラスにあげるプレゼントを選んでいる最中だ。
高価なものだと遠慮するサイラスが受け取ってくれる範囲でいいものを選ばなければならないので、なかなかに判断力を要する。
けれど、サイラスにプレゼントを渡すときのことを思い浮かべたら、自然と頬が緩んだ。
私の毎日は、相変わらず一度目の人生が嘘のように平穏で幸せだ。
問題事といえば、ジャレッド王子とカミリアが嫌がらせで呼びだそうとしてくることや、あからさまに拒否してもルディ様がしつこく家を訪ねてきたり、手紙を送ってきたりすることくらいだろうか。
あとは、一部にまだ私を見る度に隠れて何かこそこそ言う人がいるくらい? それくらいならなんてことない。私のことなんて何でも好きに噂すればいい。
噂話といえば、先日出席した夜会でおもしろい話を聞いてしまった。
どうやら貴族たちの間では、『公爵家のエヴェリーナ嬢は王子に婚約破棄されたショックで、美形の執事を強引に囲い込んでいる』なんて噂が流れているらしい。
巻き戻ってからは時間があれば人目を気にせずサイラスを連れて出かけていたし、リーシュの祭典ではサイラスに抱き上げられて走り去るところまで大勢に見られてしまったので、そんな話が広まってしまったのだろう。
そういえば、パーティーでご令嬢たちに向かって、「サイラスがいればほかに何もいらないんです」なんて宣言してしまったことまである。
最近の自分の行動を思い返すと確かに囲い込んでいるみたいで、おかしくなって笑ってしまった。
サイラスにおかしな噂が流れてしまったことを謝ったら、逆にぺこぺこ謝られた。
あんまり申し訳なさそうな顔をしているから、私と噂が流れるのは嫌か聞いてみたら、全力で否定されたので、よしとすることにする。サイラスが気にしていないならいいのだ。
私は部屋で伸びをしながら呟いた。
テーブルの上には、紳士用のアクセサリーカタログがたくさん並んでいる。今はサイラスにあげるプレゼントを選んでいる最中だ。
高価なものだと遠慮するサイラスが受け取ってくれる範囲でいいものを選ばなければならないので、なかなかに判断力を要する。
けれど、サイラスにプレゼントを渡すときのことを思い浮かべたら、自然と頬が緩んだ。
私の毎日は、相変わらず一度目の人生が嘘のように平穏で幸せだ。
問題事といえば、ジャレッド王子とカミリアが嫌がらせで呼びだそうとしてくることや、あからさまに拒否してもルディ様がしつこく家を訪ねてきたり、手紙を送ってきたりすることくらいだろうか。
あとは、一部にまだ私を見る度に隠れて何かこそこそ言う人がいるくらい? それくらいならなんてことない。私のことなんて何でも好きに噂すればいい。
噂話といえば、先日出席した夜会でおもしろい話を聞いてしまった。
どうやら貴族たちの間では、『公爵家のエヴェリーナ嬢は王子に婚約破棄されたショックで、美形の執事を強引に囲い込んでいる』なんて噂が流れているらしい。
巻き戻ってからは時間があれば人目を気にせずサイラスを連れて出かけていたし、リーシュの祭典ではサイラスに抱き上げられて走り去るところまで大勢に見られてしまったので、そんな話が広まってしまったのだろう。
そういえば、パーティーでご令嬢たちに向かって、「サイラスがいればほかに何もいらないんです」なんて宣言してしまったことまである。
最近の自分の行動を思い返すと確かに囲い込んでいるみたいで、おかしくなって笑ってしまった。
サイラスにおかしな噂が流れてしまったことを謝ったら、逆にぺこぺこ謝られた。
あんまり申し訳なさそうな顔をしているから、私と噂が流れるのは嫌か聞いてみたら、全力で否定されたので、よしとすることにする。サイラスが気にしていないならいいのだ。