全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
***
しかし、一度断られただけで諦めるはずがない。サイラスの幸せがかかっているのだ。
私はその日から何度もタイミングを窺っては、サイラスに婚約者の候補を勧めてみることにした。
サイラスが理想を教えてくれないので、年齢と家柄と評判を考慮してよさそうな令嬢を探してみる。私の部屋は侍女にこっそり集めさせた令嬢たちの絵姿でいっぱいになった。
しかし、どの令嬢も美しく評判のいい人ばかりだというのに、サイラスは一向に興味を示さない。
それどころか結婚相手の話を出すだけで顔を曇らせるようになった。最近は街に連れ出してもどこか元気がないので、こっちまで悲しくなってしまう。
ちょっと強引過ぎただろうか。そう反省していたら、一つ思い浮かんだ。
結婚相手だとか大げさなことを言うからサイラスが引いてしまうのだ。もっと気軽な友人程度から始められるよう、場をセッティングすればいいのではないか。私は早速サイラスを部屋に呼び出すことにした。
「お呼びでしょうか、お嬢様」
「サイラス、よく来てくれたわね。私、ちょっと反省したの。今まで婚約者を探そうと強引過ぎたんじゃないかって」
「いえ、お嬢様のお心遣いには感謝しております。ただ結婚は特に考えていないというだけで」
私の言葉に、サイラスはほっとした顔になって言う。私は笑顔で続けた。
「そうよね。すぐに結婚なんて言われても困るわよね。だから、こうしましょう!
結婚相手とか大仰なものじゃなくて、会う機会だけ用意してあげる。理想の人を教えて。サイラスのためならどんな人でも見つけてくるから!」
しかし、一度断られただけで諦めるはずがない。サイラスの幸せがかかっているのだ。
私はその日から何度もタイミングを窺っては、サイラスに婚約者の候補を勧めてみることにした。
サイラスが理想を教えてくれないので、年齢と家柄と評判を考慮してよさそうな令嬢を探してみる。私の部屋は侍女にこっそり集めさせた令嬢たちの絵姿でいっぱいになった。
しかし、どの令嬢も美しく評判のいい人ばかりだというのに、サイラスは一向に興味を示さない。
それどころか結婚相手の話を出すだけで顔を曇らせるようになった。最近は街に連れ出してもどこか元気がないので、こっちまで悲しくなってしまう。
ちょっと強引過ぎただろうか。そう反省していたら、一つ思い浮かんだ。
結婚相手だとか大げさなことを言うからサイラスが引いてしまうのだ。もっと気軽な友人程度から始められるよう、場をセッティングすればいいのではないか。私は早速サイラスを部屋に呼び出すことにした。
「お呼びでしょうか、お嬢様」
「サイラス、よく来てくれたわね。私、ちょっと反省したの。今まで婚約者を探そうと強引過ぎたんじゃないかって」
「いえ、お嬢様のお心遣いには感謝しております。ただ結婚は特に考えていないというだけで」
私の言葉に、サイラスはほっとした顔になって言う。私は笑顔で続けた。
「そうよね。すぐに結婚なんて言われても困るわよね。だから、こうしましょう!
結婚相手とか大仰なものじゃなくて、会う機会だけ用意してあげる。理想の人を教えて。サイラスのためならどんな人でも見つけてくるから!」