全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
 そうそう、ジャレッド王子とカミリアのほうは、あの後国王様から厳しい叱責を受けたそうだ。

 なんでもあの呼び出しは、国王様が他国へ訪問している間を狙ってジャレッド王子が独断で取り決めたものだったらしい。

 騒動を知った国王様は激怒して、ジャレッド王子とカミリアを呼び出した。そして暗殺未遂の件を再調査し、ついでに過去私がカミリアをいじめたと糾弾された件についても調べてくれた。

 私が何もしていないことがはっきりすると、国王様はジャレッド王子から王位継承権を剥奪し、辺境に飛ばすことを決めた。もちろんカミリアも一緒にだ。

 王子もカミリアも随分抵抗していたみたいだけれど、国王様は聞く耳を持たなかったそうだ。暴れる王子とカミリアの姿を想像したら、ちょっと笑えた。

 ちなみに、この件で私は王宮に呼び出され、国王様ご本人から直接謝罪されてしまった。


 そしてカミリアが襲われた事件だけど、予想通り首謀者はルディ様だった。実行犯は彼の命令で暗殺を企て、私を犯人に仕立て上げるために名前を出したのだと言う。

 ルディ様がどうしてそこまでして私を陥れたかったのか不思議だけれど、彼はお兄様の友人であると同時にライバルでもあったので、競争心が間違った方向に暴走したのかもしれない。

 取り調べでは犯行の理由を、「クリスの妹であるエヴェリーナ嬢を罪人にして、アメル家の権威を落としたかった」なんて答えているらしいから。

 ルディ様は無事に捕まったので、今後手出しをしてくる心配はないと思う。

 一安心だけれど、とばっちりもいいところだ。
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