全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
早速、その日からドラゴンの刺繍に取りかかることにした。
まずは書庫から本を引っ張ってきてドラゴンの絵を用意し、ハンカチに写す。それからハンカチを刺繍枠にはめ込み、写した絵の通りに糸を通していく。
お花の刺繍は結構うまくできたから、ドラゴンだって少しは難易度が高くなるだろうけれど頑張ればできるだろうと思ったのに、予想以上に苦戦した。
何度やっても細かい部分が絵と微妙にずれて、バランスが悪くなってしまうのだ。出来上がるのはなんとも不格好なドラゴンばかりだった。
うまくいかなくて、何枚も作り直した。時折指を針で刺してしまい、ハンカチに赤い染みができた。それでも諦めずひたすら刺繍をし続ける。
「あー、うまくできないー」
私はテーブルの上にハンカチを投げ出して、つい弱音を吐いた。こんなに難しいとは思わなかった。
「お嬢様、よろしいでしょうか」
「はぁい、どうぞー」
扉の向こうからサイラスの声が聞こえたので返事をする。
サイラスはお父様から預かった本を持ってきてくれたようだ。全て王子妃になるための本。難しいことばかり書いてあるので、見ているだけでうんざりしてしまう。
まずは書庫から本を引っ張ってきてドラゴンの絵を用意し、ハンカチに写す。それからハンカチを刺繍枠にはめ込み、写した絵の通りに糸を通していく。
お花の刺繍は結構うまくできたから、ドラゴンだって少しは難易度が高くなるだろうけれど頑張ればできるだろうと思ったのに、予想以上に苦戦した。
何度やっても細かい部分が絵と微妙にずれて、バランスが悪くなってしまうのだ。出来上がるのはなんとも不格好なドラゴンばかりだった。
うまくいかなくて、何枚も作り直した。時折指を針で刺してしまい、ハンカチに赤い染みができた。それでも諦めずひたすら刺繍をし続ける。
「あー、うまくできないー」
私はテーブルの上にハンカチを投げ出して、つい弱音を吐いた。こんなに難しいとは思わなかった。
「お嬢様、よろしいでしょうか」
「はぁい、どうぞー」
扉の向こうからサイラスの声が聞こえたので返事をする。
サイラスはお父様から預かった本を持ってきてくれたようだ。全て王子妃になるための本。難しいことばかり書いてあるので、見ているだけでうんざりしてしまう。