全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
 アメル公爵邸に戻ると、私はベッドの上に倒れ込んで枕に顔をうずめた。

 馬鹿みたいだ。喜ばれもしないものを何日もかけて作って、社交辞令のお礼を真に受けてはしゃいで。とてもみじめな気分だ。

「……そうよね……。ジャレッド様の周りには最高級の品がいくらでもあるんですもの……。押しつけがましいことをした私が悪いのよ……」

 自分に言い聞かせるようにわざと声に出してみるが、気持ちはちっとも晴れなかった。

 私はぐすぐす言いながら枕をぎゅっと握りしめる。

「うぅ……。この悲しみは一人では抱えきれないわ……」

 そう呟いて、顔を上げる。

 そうだ、サイラスに慰めてもらおう。

 サイラスなら、無神経な私の家族と違って王子にそんなものを渡したお前が悪いなんて責めてくる心配はない。

 きっと私以上に悲しんで、お嬢様は悪くありませんと励ましてくれるはずだ。
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