全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
***
「いえ、わかりますわ! 婚約者なんですもの。ちゃんと大切にされたいですわよね!」
ある日、伯爵家の友達のエノーラの家に呼ばれたときのこと。
お部屋に二人だけだったので気が緩んで、つい漏らすまいとしていたジャレッド様に対する本音をこぼしてしまった。エノーラは大きくうなずいて同意してくれる。
「わかってくれる? 自分でも図々しい考えなんじゃないかって思うんだけど」
「図々しくなんかありませんわ! 当たり前の感情です。それに、傍から見ていても殿下のエヴェリーナ様への態度は少し冷たいと思いますもの」
エノーラは眉をひそめて考え込む仕草をする。
「私、前から不満だったんです。あの方、どこかエヴェリーナ様のことを軽んじているように見えますわ。エヴェリーナ様本人が気にしていないなら私が口を出すことではないと思っていましたが……」
「エノーラにもそう見えていたのね」
「ええ、いくら政略で決められた婚約者だとはいえ、もう少し思いやりを持つべきだと思います!」
エノーラが真剣な顔でそう言ってくれたので、心が少し軽くなる。
その後は溜まっていたジャレッド様への不満を延々と語り続けてしまった。
「はぁ……。でもどうせ結婚するなら、もっと素敵な殿方がいいですわよね。貴族の娘に生まれるってつらいですわぁ。エヴェリーナ様だって本当は殿下と婚約なんてしたくなかったんじゃありません?」
「そんなことは思ってないわ! ただ、殿下がもう少し私を見てくれたらと思うだけで……」
「そうなのですか? まぁ、相手は王太子ですものね」
「……できるなら私を一番に考えてくれて、私の言葉一つ一つを真剣に聞いてくれて、いつでもそばにいてくれる人がよかったとは思うけれど」
「まぁ、随分具体的ですのね! そんな方が周りにいらっしゃいますの?」
私が何気なくそう言った途端、エノーラは目を輝かせる。
「いえ、わかりますわ! 婚約者なんですもの。ちゃんと大切にされたいですわよね!」
ある日、伯爵家の友達のエノーラの家に呼ばれたときのこと。
お部屋に二人だけだったので気が緩んで、つい漏らすまいとしていたジャレッド様に対する本音をこぼしてしまった。エノーラは大きくうなずいて同意してくれる。
「わかってくれる? 自分でも図々しい考えなんじゃないかって思うんだけど」
「図々しくなんかありませんわ! 当たり前の感情です。それに、傍から見ていても殿下のエヴェリーナ様への態度は少し冷たいと思いますもの」
エノーラは眉をひそめて考え込む仕草をする。
「私、前から不満だったんです。あの方、どこかエヴェリーナ様のことを軽んじているように見えますわ。エヴェリーナ様本人が気にしていないなら私が口を出すことではないと思っていましたが……」
「エノーラにもそう見えていたのね」
「ええ、いくら政略で決められた婚約者だとはいえ、もう少し思いやりを持つべきだと思います!」
エノーラが真剣な顔でそう言ってくれたので、心が少し軽くなる。
その後は溜まっていたジャレッド様への不満を延々と語り続けてしまった。
「はぁ……。でもどうせ結婚するなら、もっと素敵な殿方がいいですわよね。貴族の娘に生まれるってつらいですわぁ。エヴェリーナ様だって本当は殿下と婚約なんてしたくなかったんじゃありません?」
「そんなことは思ってないわ! ただ、殿下がもう少し私を見てくれたらと思うだけで……」
「そうなのですか? まぁ、相手は王太子ですものね」
「……できるなら私を一番に考えてくれて、私の言葉一つ一つを真剣に聞いてくれて、いつでもそばにいてくれる人がよかったとは思うけれど」
「まぁ、随分具体的ですのね! そんな方が周りにいらっしゃいますの?」
私が何気なくそう言った途端、エノーラは目を輝かせる。