全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
4.一度目の世界
その後も私は、サイラスが休日になると色んな場所に連れ回して、色んなプレゼントを贈って、楽しく過ごしていた。
あまり高価な物を渡すと受け取ってくれないことに気づいてからは、それほど値段が高くなくてサイラスの気に入りそうな物をプレゼントすることにしている。
はじめは困り顔だったサイラスも最近は楽しそうなので、私は大変満足していた。
パーティーに出るとまだひそひそ言われるし、近づいてくる人は以前と比べて明らかに減ったけれど、そんなことは些細なことだ。
自由に外を歩けて、サイラスも生きていて。ほかに何を望むことがあるというのだろう。
「あー、なんて幸せなのかしら!」
公爵家の部屋でソファに腰掛けながら呟く。
暗殺未遂を企てて無実のサイラスを代わりに死なせ、最後には自ら命を絶った私が、こんな幸せを享受していいのかしら。心配になってしまうくらいだ。
巻き戻る前、一度目の人生は本当に真っ暗な気持ちだった。もう幸せを感じられることなんて二度とないと思っていたのに。
私はそんなことを考えながら、ソファに大きくもたれかかる。
目を閉じると、今はもう随分遠く感じる悲しかった日々の記憶が浮かんできた。
あまり高価な物を渡すと受け取ってくれないことに気づいてからは、それほど値段が高くなくてサイラスの気に入りそうな物をプレゼントすることにしている。
はじめは困り顔だったサイラスも最近は楽しそうなので、私は大変満足していた。
パーティーに出るとまだひそひそ言われるし、近づいてくる人は以前と比べて明らかに減ったけれど、そんなことは些細なことだ。
自由に外を歩けて、サイラスも生きていて。ほかに何を望むことがあるというのだろう。
「あー、なんて幸せなのかしら!」
公爵家の部屋でソファに腰掛けながら呟く。
暗殺未遂を企てて無実のサイラスを代わりに死なせ、最後には自ら命を絶った私が、こんな幸せを享受していいのかしら。心配になってしまうくらいだ。
巻き戻る前、一度目の人生は本当に真っ暗な気持ちだった。もう幸せを感じられることなんて二度とないと思っていたのに。
私はそんなことを考えながら、ソファに大きくもたれかかる。
目を閉じると、今はもう随分遠く感じる悲しかった日々の記憶が浮かんできた。