全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
「……わかりました。それでは、これから先はお嬢様が離れてほしいと言うまで決して離れません」
迷いのない口調で言われ、不安だった心が安心に包まれるのがわかった。私は約束よ、と何度も繰り返す。サイラスは何度でもうなずいてくれた。
ふと、後ろを見ると、使用人たちが微笑ましげにこちらを眺めているのに気づいた。
ああ、そういえばほかにも人がいたんだったと思っていると、サイラスも後ろを振り向く。そして顔を赤くしていた。
「お、お嬢様。それでは、何かあればいつでもうかがいますので」
「えっ、一緒に来てくれないの? 私が離れて欲しいと言うまで離れないって言ったじゃない」
「言いましたが、四六時中という意味ではなくてですね……」
「言ったわよね! じゃあこれから一緒にお庭に行きましょう!」
「お嬢様……!?」
サイラスの腕をつかんで引っ張ると、サイラスは困り顔をしながらもついて来てくれた。
後ろから使用人たちが、「お嬢様、サイラス、いってらっしゃいませー」なんていう声がくすくす笑いとともに聞こえてくる。
サイラスの腕は温かった。
ああ、もうここはあの悲しい世界ではないのだと思ったら、流しきったはずの涙がまた頬を伝った。
迷いのない口調で言われ、不安だった心が安心に包まれるのがわかった。私は約束よ、と何度も繰り返す。サイラスは何度でもうなずいてくれた。
ふと、後ろを見ると、使用人たちが微笑ましげにこちらを眺めているのに気づいた。
ああ、そういえばほかにも人がいたんだったと思っていると、サイラスも後ろを振り向く。そして顔を赤くしていた。
「お、お嬢様。それでは、何かあればいつでもうかがいますので」
「えっ、一緒に来てくれないの? 私が離れて欲しいと言うまで離れないって言ったじゃない」
「言いましたが、四六時中という意味ではなくてですね……」
「言ったわよね! じゃあこれから一緒にお庭に行きましょう!」
「お嬢様……!?」
サイラスの腕をつかんで引っ張ると、サイラスは困り顔をしながらもついて来てくれた。
後ろから使用人たちが、「お嬢様、サイラス、いってらっしゃいませー」なんていう声がくすくす笑いとともに聞こえてくる。
サイラスの腕は温かった。
ああ、もうここはあの悲しい世界ではないのだと思ったら、流しきったはずの涙がまた頬を伝った。