全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
***
「サイラス、私の行きたいところならどこでもいいって言っていたわよね?」
「はい。お嬢様の行きたいところならどこへでもお供します」
サイラスを部屋に呼び出して尋ねると、彼は微笑んで言った。
「なら私、リーシュの神殿に行きたいわ」
「リーシュの神殿ですか?」
行き先が意外だったのか、サイラスは不思議そうな顔をする。
「神殿に行くとなるとカミリア様もいらっしゃると思いますが、いいのですか?」
「大丈夫。その辺は抜かりないわ。さっき侍女に調べてもらったんだけど、今日カミリアはジャレッド王子とリフェルの街に訪問に行っているそうなの。今なら出くわさないわ」
「それなら問題ありませんね。しかし、そこまでしてどうして神殿へ?」
「私、もしかしたら女神様に願いを叶えてもらったかもしれないの。だからお礼に行きたいのよ」
「お礼ですか」
「そう、お礼!」
元気よくそう言うと、サイラスは首を傾げる。
「何の願いを叶えてもらったんですか?」
「秘密。でも、心から願ったことなの」
サイラスは私の漠然とした言葉に不思議そうにしていたけれど、すぐに笑顔になって言った。
「どんなお願いなのかわかりませんが、それはいいことですね。きっと女神様も喜ぶはずです」
「そう思う? じゃあ、早速行きましょう!」
サイラスが同意してくれたので、私は張りきって支度をすることにする。
今日はフリル付きのブラウスに、淡い水色をしたハイウエストのスカート、スカートと同じ色のベストを着ることにした。
髪には最近毎日のようにつけている薔薇の髪飾りをつける。
巻き戻って最初に街に出かけたときに、サイラスが買ってくれたものだ。この服装なら動きやすいし、神殿でもあまり目立たないはず。
支度が済んで広間まで出て行くと、サイラスは私の髪につけられた薔薇の髪飾りを見て嬉しそうに目を細めた。
それからお洋服も髪飾りもよく似合っていますと過剰なまでに褒めてくれる。私は得意になってその言葉を聞いた。
私達は早速馬車に乗り込み、リーシュの神殿を目指した。
「サイラス、私の行きたいところならどこでもいいって言っていたわよね?」
「はい。お嬢様の行きたいところならどこへでもお供します」
サイラスを部屋に呼び出して尋ねると、彼は微笑んで言った。
「なら私、リーシュの神殿に行きたいわ」
「リーシュの神殿ですか?」
行き先が意外だったのか、サイラスは不思議そうな顔をする。
「神殿に行くとなるとカミリア様もいらっしゃると思いますが、いいのですか?」
「大丈夫。その辺は抜かりないわ。さっき侍女に調べてもらったんだけど、今日カミリアはジャレッド王子とリフェルの街に訪問に行っているそうなの。今なら出くわさないわ」
「それなら問題ありませんね。しかし、そこまでしてどうして神殿へ?」
「私、もしかしたら女神様に願いを叶えてもらったかもしれないの。だからお礼に行きたいのよ」
「お礼ですか」
「そう、お礼!」
元気よくそう言うと、サイラスは首を傾げる。
「何の願いを叶えてもらったんですか?」
「秘密。でも、心から願ったことなの」
サイラスは私の漠然とした言葉に不思議そうにしていたけれど、すぐに笑顔になって言った。
「どんなお願いなのかわかりませんが、それはいいことですね。きっと女神様も喜ぶはずです」
「そう思う? じゃあ、早速行きましょう!」
サイラスが同意してくれたので、私は張りきって支度をすることにする。
今日はフリル付きのブラウスに、淡い水色をしたハイウエストのスカート、スカートと同じ色のベストを着ることにした。
髪には最近毎日のようにつけている薔薇の髪飾りをつける。
巻き戻って最初に街に出かけたときに、サイラスが買ってくれたものだ。この服装なら動きやすいし、神殿でもあまり目立たないはず。
支度が済んで広間まで出て行くと、サイラスは私の髪につけられた薔薇の髪飾りを見て嬉しそうに目を細めた。
それからお洋服も髪飾りもよく似合っていますと過剰なまでに褒めてくれる。私は得意になってその言葉を聞いた。
私達は早速馬車に乗り込み、リーシュの神殿を目指した。