全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
リーシュ様にお礼を言い終え、ふと隣を見ると、サイラスも真剣な様子で祭壇に向かって手を組み合わせていた。
じっと見ていると、サイラスが顔を上げて恥ずかしそうな顔をする。
「お嬢様、終わりましたか?」
「ええ。サイラスももういいの?」
「はい。行きましょうか」
祭壇の前から離れて、扉のほうに歩いていく。
「サイラスは何をお祈りしたの?」
「お嬢様がずっと幸せでいられますようにと」
サイラスはやっぱり恥ずかしそうな顔で言う。さっきの真剣な顔は私のことを考えていたのかと思うと、私までなんだか恥ずかしくなった。せっかく来たのだから、自分のことを願えばいいのに。
「……私もサイラスのことでお礼を言ったのよ」
「私のことですか?」
サイラスは不思議そうな顔をする。
「なんのお礼なのかやっぱり気になります……。一体何があったのですか?」
「秘密。言ったってわからないもの」
実は私は巻き戻っていて、女神様のおかげで死んでしまったサイラスにまた会えたかもしれないの、なんて言ったって、頭がおかしくなったのかと疑われるだけだ。
サイラスはよほど気になるようで何度も尋ねてきたけれど、私は笑うだけで答えを教えてあげなかった。
「それより私、神殿の外の通りに寄りたいの! いいでしょう?」
「もちろんいいですが、本当に一体何が……」
「そんなこと気にしなくていいじゃない。早く出ましょう!」
私はまだ答えを気にしている様子のサイラスの手を取り、早足で歩き出す。
あぁ、今日も本当に楽しい。こんなに毎日幸せでいいのかしら。
じっと見ていると、サイラスが顔を上げて恥ずかしそうな顔をする。
「お嬢様、終わりましたか?」
「ええ。サイラスももういいの?」
「はい。行きましょうか」
祭壇の前から離れて、扉のほうに歩いていく。
「サイラスは何をお祈りしたの?」
「お嬢様がずっと幸せでいられますようにと」
サイラスはやっぱり恥ずかしそうな顔で言う。さっきの真剣な顔は私のことを考えていたのかと思うと、私までなんだか恥ずかしくなった。せっかく来たのだから、自分のことを願えばいいのに。
「……私もサイラスのことでお礼を言ったのよ」
「私のことですか?」
サイラスは不思議そうな顔をする。
「なんのお礼なのかやっぱり気になります……。一体何があったのですか?」
「秘密。言ったってわからないもの」
実は私は巻き戻っていて、女神様のおかげで死んでしまったサイラスにまた会えたかもしれないの、なんて言ったって、頭がおかしくなったのかと疑われるだけだ。
サイラスはよほど気になるようで何度も尋ねてきたけれど、私は笑うだけで答えを教えてあげなかった。
「それより私、神殿の外の通りに寄りたいの! いいでしょう?」
「もちろんいいですが、本当に一体何が……」
「そんなこと気にしなくていいじゃない。早く出ましょう!」
私はまだ答えを気にしている様子のサイラスの手を取り、早足で歩き出す。
あぁ、今日も本当に楽しい。こんなに毎日幸せでいいのかしら。