全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
6.王宮への招待
ある時、うちに王宮から招待状が届いた。
なんでも、今度行われる王宮でのパーティーに招待してくれるらしい。
ジャレッド王子に婚約破棄されてから王宮でのパーティーはもちろん、城に一歩足を踏み入れることすら禁じられていた私は突然の招待に首を傾げた。
「どういうことかしらね? サイラス」
「不思議ですね。もしかすると何かの罠なのでは……」
「やっぱりそう思う? 行かないほうがいいかしら。けれど、王族からの招待を断るわけにもいかないし……」
招待状を眺めながら頭を悩ませる。せっかく二人の嘘はそのままにして大人しくしているのだから、構わないでもらいたいものだ。
「……仕方ないわ。多少の嫌がらせは覚悟して参加することにしましょう」
「お嬢様、わかっていてわざわざ行くことはありません。今回の参加は見送りましょう」
「でも、断ったところでまた招待されるでしょうし。面倒なことは早めに済ませてくるわ」
私がそう言ったら、サイラスは何とも言えない顔をする。それでも大丈夫よと笑って言ったら、納得のいかなそうな顔をしながらもうなずいていた。
参加を決めたはいいけれど、すぐに困りごとがでてきた。エスコートしてくれる人がいないのだ。
婚約破棄される前までは、一応はジャレッド王子と一緒にパーティーに参加していた。
もっとも最近の王子は申し訳程度に私と一度だけダンスを踊ると、すぐさまカミリアにつきっきりになっていたのだけれど……。
ほかの人に頼もうにも、貴族社会で腫れ物扱いされている私をエスコートしてくれるような奇特な男性は見つかりそうにない。
部屋で頭を悩ませていると、横からサイラスが言った。
なんでも、今度行われる王宮でのパーティーに招待してくれるらしい。
ジャレッド王子に婚約破棄されてから王宮でのパーティーはもちろん、城に一歩足を踏み入れることすら禁じられていた私は突然の招待に首を傾げた。
「どういうことかしらね? サイラス」
「不思議ですね。もしかすると何かの罠なのでは……」
「やっぱりそう思う? 行かないほうがいいかしら。けれど、王族からの招待を断るわけにもいかないし……」
招待状を眺めながら頭を悩ませる。せっかく二人の嘘はそのままにして大人しくしているのだから、構わないでもらいたいものだ。
「……仕方ないわ。多少の嫌がらせは覚悟して参加することにしましょう」
「お嬢様、わかっていてわざわざ行くことはありません。今回の参加は見送りましょう」
「でも、断ったところでまた招待されるでしょうし。面倒なことは早めに済ませてくるわ」
私がそう言ったら、サイラスは何とも言えない顔をする。それでも大丈夫よと笑って言ったら、納得のいかなそうな顔をしながらもうなずいていた。
参加を決めたはいいけれど、すぐに困りごとがでてきた。エスコートしてくれる人がいないのだ。
婚約破棄される前までは、一応はジャレッド王子と一緒にパーティーに参加していた。
もっとも最近の王子は申し訳程度に私と一度だけダンスを踊ると、すぐさまカミリアにつきっきりになっていたのだけれど……。
ほかの人に頼もうにも、貴族社会で腫れ物扱いされている私をエスコートしてくれるような奇特な男性は見つかりそうにない。
部屋で頭を悩ませていると、横からサイラスが言った。