全てを恨んで死んだ悪役令嬢は、巻き戻ったようなので今度は助けてくれた執事を幸せにするために生きることにします
***
そしてパーティー当日。私はサイラスを連れて馬車に乗り込んだ。
サイラスには、今回は銀色の刺繍のついたグレーのジャケットに、黒のズボン、ロイヤルブルーのコートをプレゼントした。
服を見たサイラスは目を見開いて値段を気にしていたけれど、王宮のパーティーなんだからこれくらいでなくてはいけないわと言うと、戸惑いつつも納得していた。
本当はサイラスにあげる服を選んでいるうちに、あれもいいこれもいいと悩んでいたら、テンションが上がって予定以上に高価になっちゃったんだけど。
それを言ったら受け取ってくれなくなるから言わないでおこう。
馬車を降りて会場まで歩く。
以前レストランに行ったときと同じく、今回もご令嬢たちはちらちらとサイラスを眺めては頬を赤らめていた。
私はそれをちょっと得意に思いつつ、サイラスの腕に自分の腕を回す。
「あ、あの、お嬢様」
「さぁ、行きましょう。早くしないと始まっちゃうわ」
そう言って急かすと、サイラスは何か言いたげにしつつも頷いた。
周りの人たちの視線を浴びながら、パーティー会場に足を踏み入れる。
会場に入ると、すぐに何人かの人が話しかけてきた。腫れ物扱いされることを覚悟していたけれど、大抵の人はにこやかに接してくれる。
けれど、中にはやはり蔑みの表情を浮かべてこちらを見たり、もっとあからさまに嫌味を言ってくる人もいた。
それは仕方ないだろうと思う。私は最高峰の権力者を敵に回してしまったのだから。
私はそう諦めていたけれど、サイラスは私が冷たい視線を向けられる度に必死でフォローしてくれた。
そんな様子を見ていたら、嫌味を言われたことよりも、幸せな気持ちのほうが大きくなる。
それで途中でつい笑ってしまい、意地悪な顔をして声をかけてきた侯爵家のご令息に怪訝な顔をされてしまった。
そしてパーティー当日。私はサイラスを連れて馬車に乗り込んだ。
サイラスには、今回は銀色の刺繍のついたグレーのジャケットに、黒のズボン、ロイヤルブルーのコートをプレゼントした。
服を見たサイラスは目を見開いて値段を気にしていたけれど、王宮のパーティーなんだからこれくらいでなくてはいけないわと言うと、戸惑いつつも納得していた。
本当はサイラスにあげる服を選んでいるうちに、あれもいいこれもいいと悩んでいたら、テンションが上がって予定以上に高価になっちゃったんだけど。
それを言ったら受け取ってくれなくなるから言わないでおこう。
馬車を降りて会場まで歩く。
以前レストランに行ったときと同じく、今回もご令嬢たちはちらちらとサイラスを眺めては頬を赤らめていた。
私はそれをちょっと得意に思いつつ、サイラスの腕に自分の腕を回す。
「あ、あの、お嬢様」
「さぁ、行きましょう。早くしないと始まっちゃうわ」
そう言って急かすと、サイラスは何か言いたげにしつつも頷いた。
周りの人たちの視線を浴びながら、パーティー会場に足を踏み入れる。
会場に入ると、すぐに何人かの人が話しかけてきた。腫れ物扱いされることを覚悟していたけれど、大抵の人はにこやかに接してくれる。
けれど、中にはやはり蔑みの表情を浮かべてこちらを見たり、もっとあからさまに嫌味を言ってくる人もいた。
それは仕方ないだろうと思う。私は最高峰の権力者を敵に回してしまったのだから。
私はそう諦めていたけれど、サイラスは私が冷たい視線を向けられる度に必死でフォローしてくれた。
そんな様子を見ていたら、嫌味を言われたことよりも、幸せな気持ちのほうが大きくなる。
それで途中でつい笑ってしまい、意地悪な顔をして声をかけてきた侯爵家のご令息に怪訝な顔をされてしまった。