可愛いのは、僕じゃない
【01.】笑顔は、可愛く



そろり、そろり。



抜き足、差し足、忍び足。



音を立てないようにゆっくりと。



バレないようにゆっくりと。



可愛いキミの部屋へと近づく...............



「...............それで、バレてないつもり?」

「ひっ‼︎」



声をかけられた瞬間、
くっ、口から心臓が飛び出るかと思った。



そんな、背後から、
脅かすような声のかけ方は珍しいのに.........



「......真弥、起きてたんだっ」

「ん。まーね。今日、土曜だし、
きなり、呼びにくると思ってたから」



.....................珍しい。



真弥がそこまで先読みして行動するなんて。


< 1 / 24 >

この作品をシェア

pagetop