可愛いのは、僕じゃない
部屋から出ようとした瞬間だった............
──────グイッ!
と、誰かに腕を引かれる感覚。
そして、そのまま誰かの腕の中へ。
その人物のことは、
顔を上げなくても、ちゃんと分かるっ。
「真弥っ、」
やっぱり..................真弥がいると安心する。
「はー、合鍵持ってて良かったっ、」
真弥がいなかったら.....................
私、怖くて、
どうしたら良いか分かんなかったと思う。
それなのに、
真弥がいるだけで、心強くって。
そして..................何より、暖かい。