可愛いのは、僕じゃない
***
部屋の明かりが点いたのは、
真弥が来てから30分後のこと。
明かりが点くまで、
真弥はずっと傍にいてくれて。
それで、ずっと、
ぎゅっと、抱きしめててくれた...............
「ん。やっと点いたね」
真弥は優しくそう言うと、私の頭を撫でた。
でも..................
また明かりが消えたらっ。
なんて、想像してしまって怖くって。
「真弥っ、」
真弥が動こうとした気がして、
とっさにに、思わず抱きついた。
「っ、きなり?」
驚いたような声を出す真弥。
ううん。真弥だけじゃない。
私だって.........自分で驚いてるっ。
自分から真弥を引き止めるなんて............