冷酷な軍人は没落令嬢をこよなく愛す
俺の自室の前まで手を離せずに連れて来てしまう。
このまま部屋に連れ込み抱いてしまえばいいと黒い心が俺を誘う。
唇を噛み締め、葛藤し無理矢理手を離して
顔も見る事も出来ず、
「おやすみ…。」
と、呟き部屋に入る。
「おやすみなさいませ。」
襖の向こうで香世が頭を下げている気配がする。
「前田が、プディングという物を買って来たから…明日食べよう。」
襖越しにそう伝える。
それが今は精一杯だった。
「楽しみにしています。」
香世の嬉しそうな声にホッと安堵する。
傷付けたくはない。
幸せになって欲しいと願うのに、
それが俺の役目では無いと思うと心が痛い。
このまま部屋に連れ込み抱いてしまえばいいと黒い心が俺を誘う。
唇を噛み締め、葛藤し無理矢理手を離して
顔も見る事も出来ず、
「おやすみ…。」
と、呟き部屋に入る。
「おやすみなさいませ。」
襖の向こうで香世が頭を下げている気配がする。
「前田が、プディングという物を買って来たから…明日食べよう。」
襖越しにそう伝える。
それが今は精一杯だった。
「楽しみにしています。」
香世の嬉しそうな声にホッと安堵する。
傷付けたくはない。
幸せになって欲しいと願うのに、
それが俺の役目では無いと思うと心が痛い。