冷酷な軍人は没落令嬢をこよなく愛す
2人で露店の長椅子に座り、
香世はみたらし団子を食べながら真上に咲く桜を見上げる。
薄桃色の桜が青い空に映えて浮かび上がってまるで絵葉書のように綺麗に見える。
突然、ふわっと春風が吹き抜け桜の花びらが舞う。
ハラハラと頭上に舞い散る桜の花びらを
手のひらに拾おうと香世は片手を差し出して
捕まえようとする。
儚い花びらは香世の手のひらを通り抜けて
地面に落ちて行く。
残念そうに地面を見つめていると、
不意に正臣ふわりと香世の髪を撫ぜるから
ドキッとして振り向く。
正臣が香世の手のひらに1枚の桜の花びらを乗せる。
フッと笑ってくれるから香世も釣られて笑う。
正臣が手を伸ばし香世の唇に触れてくる
親指で優しく唇の端を撫でられ目を丸くして見ていると、ペロリとその親指を舐める。
瞬きを繰り返し正臣を見入ってしまう。
「子供か?」
正臣が可笑しそうにハハッと笑う。
初めてこんなに楽しそうな正臣様を見たと
香世も嬉しくなる。
ハンカチを袂から取り出し口を拭い、
そのハンカチにそっと手のひらの花びらを挟む。
「ありがとうございます。」
香世はふわりと笑う。
香世はみたらし団子を食べながら真上に咲く桜を見上げる。
薄桃色の桜が青い空に映えて浮かび上がってまるで絵葉書のように綺麗に見える。
突然、ふわっと春風が吹き抜け桜の花びらが舞う。
ハラハラと頭上に舞い散る桜の花びらを
手のひらに拾おうと香世は片手を差し出して
捕まえようとする。
儚い花びらは香世の手のひらを通り抜けて
地面に落ちて行く。
残念そうに地面を見つめていると、
不意に正臣ふわりと香世の髪を撫ぜるから
ドキッとして振り向く。
正臣が香世の手のひらに1枚の桜の花びらを乗せる。
フッと笑ってくれるから香世も釣られて笑う。
正臣が手を伸ばし香世の唇に触れてくる
親指で優しく唇の端を撫でられ目を丸くして見ていると、ペロリとその親指を舐める。
瞬きを繰り返し正臣を見入ってしまう。
「子供か?」
正臣が可笑しそうにハハッと笑う。
初めてこんなに楽しそうな正臣様を見たと
香世も嬉しくなる。
ハンカチを袂から取り出し口を拭い、
そのハンカチにそっと手のひらの花びらを挟む。
「ありがとうございます。」
香世はふわりと笑う。