冷酷な軍人は没落令嬢をこよなく愛す
重箱のお弁当を食べ終えて、手を繋ぎ本堂へ向かう。

よく聞くと、
ここは縁結びの神様だと言う事を知り、
正臣が苦笑いする。

「前田に嵌められたな。
神などに頼まなくても俺と香世の縁は絶対切れる訳が無い。」
そう呟く。

香世はせっかくだからと、
正臣の為に健康祈願のお守りを買う。

そして正臣は香世の為に露店を回り
鈴の付いたかんざしや、花柄の巾着袋、
湯呑みやお茶碗などありとあらゆる物を、
香世が手に取り見つめる物すべてを、
手当たり次第買い与える。

「正臣様…あの…本当にもう大丈夫ですから。」
正臣に手を引かれながら香世はこれ以上はと
何度も止める。

「我が家を香世が少しでも住みやすい場所にしたい。
それにはまだまだ物足りないくらいだ。
そうだ。来週末は買い物に行こう。」
楽しそうにそう言うから止められ無くなってしまう。

こうして2人のデートは終始楽しく終わり、
沢山のお土産と共に帰路に着く。
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