冷酷な軍人は没落令嬢をこよなく愛す
お互い心の内を話せる事ができて、
それぞれ少しだけホッとする。
俺は手のマッサージを終えて、
足のマッサージに入ろうと布団をめくると
香世が慌てて俺の手を止める。
「あ、あの…本当にもう充分です。
あの…これ以上二階堂様のお手を煩う訳にはいきません。」
「そんな風に思わなくて良い。
俺は婚約者だ、香世が少しでも早く復帰出来るように手助けしたいんだ。」
「でも…あの、
二階堂様は中尉様だと伺いました。
私にはとても勿体無い方だと思います。
私なんかで…本当によろしいのでしょうか…。」
姉上からいろいろ今の現状を聞いたのだろう。俺との関係に戸惑いを感じているのかもしれない。
強引にやり過ぎたと少し反省する。
「そうだな…。
今の香世からしてみれば
見ず知らずの男に触られるのは嫌だよな…。」
「いえ、決してそのよう事は…
ただただ、申し訳ないと思うのです…。
私の家は…その、
立ち行かなくなったと聞きましたし…
二階堂様にとって何も利点は無いのでは?」
ああ、そうか…
出会った頃に香世が感じていた不釣り合いというものを感じているのだな。と、思う。
「俺は香世の事を家柄で決めた訳ではない。
香世の全てが愛おしいのだ。俺の側にいて欲しい。
これは…俺の我儘だと思ってくれていい。」
言葉にすると照れがあるが…、
今の香世に伝わって欲しいと願わずにはいられない。
香世の様子を伺っていると真っ赤になって顔を両手で隠してしまう。
これはどうしたものか…
精神年齢15歳の香世をどう扱ったら良いか
多少の戸惑いを覚える。
そんな香世の頭を撫でて、落ち着くまで少し離れて見守る事にする。
病室から窓の外を眺めていると、
雨がしとしと降り始める。
香世の退院後、家に連れ帰るのは無理そうだな。
濡れていく外の景色を見ながら俺は深いため息を吐く。
それぞれ少しだけホッとする。
俺は手のマッサージを終えて、
足のマッサージに入ろうと布団をめくると
香世が慌てて俺の手を止める。
「あ、あの…本当にもう充分です。
あの…これ以上二階堂様のお手を煩う訳にはいきません。」
「そんな風に思わなくて良い。
俺は婚約者だ、香世が少しでも早く復帰出来るように手助けしたいんだ。」
「でも…あの、
二階堂様は中尉様だと伺いました。
私にはとても勿体無い方だと思います。
私なんかで…本当によろしいのでしょうか…。」
姉上からいろいろ今の現状を聞いたのだろう。俺との関係に戸惑いを感じているのかもしれない。
強引にやり過ぎたと少し反省する。
「そうだな…。
今の香世からしてみれば
見ず知らずの男に触られるのは嫌だよな…。」
「いえ、決してそのよう事は…
ただただ、申し訳ないと思うのです…。
私の家は…その、
立ち行かなくなったと聞きましたし…
二階堂様にとって何も利点は無いのでは?」
ああ、そうか…
出会った頃に香世が感じていた不釣り合いというものを感じているのだな。と、思う。
「俺は香世の事を家柄で決めた訳ではない。
香世の全てが愛おしいのだ。俺の側にいて欲しい。
これは…俺の我儘だと思ってくれていい。」
言葉にすると照れがあるが…、
今の香世に伝わって欲しいと願わずにはいられない。
香世の様子を伺っていると真っ赤になって顔を両手で隠してしまう。
これはどうしたものか…
精神年齢15歳の香世をどう扱ったら良いか
多少の戸惑いを覚える。
そんな香世の頭を撫でて、落ち着くまで少し離れて見守る事にする。
病室から窓の外を眺めていると、
雨がしとしと降り始める。
香世の退院後、家に連れ帰るのは無理そうだな。
濡れていく外の景色を見ながら俺は深いため息を吐く。