冷酷な軍人は没落令嬢をこよなく愛す
退院
退院の日。
正臣は車で香世を実家まで送る為、
退院荷物を車まで運び込む。
正臣と暮らしていた記憶の無い香世は、
とりあえず実家に帰すべきだと思っている。
出来れば連れ帰りたいが無理強いはできない…。
でも、香世の父親は入院中一度も顔を出さず、実家に戻ったところで居場所が無いのではないかと、少なからず心配してしまうのだが…。
いろいろ理由をつけて連れ帰りたい気持ちもある。
要は、正臣自身が香世と離れて暮らす事が寂しいだけなのだ…。
そう思って1人苦笑いする。
香世が病室を一回りして忘れ物が無いか確認していると、パタパタと小さな足音が近付いて来る事に気付く。
続いて、ガラガラと扉を開ける音。
「お姉様ー!!」
香世が振り返ると同時に小さな弟が足元に抱きついて来る。
「龍ちゃん!」
香世もぎゅっと抱きしめて再会を喜ぶ。
「元気だった?龍ちゃんは大きくなったねー!」
3歳までの龍一の記憶しかない香世は弟の成長に驚き嬉しくなる。
続いて姉とマサが駆け付ける。
「龍一坊っちゃま、廊下は走ってはいけません。」
はぁはぁと息をしながらマサが言う。
正臣は車で香世を実家まで送る為、
退院荷物を車まで運び込む。
正臣と暮らしていた記憶の無い香世は、
とりあえず実家に帰すべきだと思っている。
出来れば連れ帰りたいが無理強いはできない…。
でも、香世の父親は入院中一度も顔を出さず、実家に戻ったところで居場所が無いのではないかと、少なからず心配してしまうのだが…。
いろいろ理由をつけて連れ帰りたい気持ちもある。
要は、正臣自身が香世と離れて暮らす事が寂しいだけなのだ…。
そう思って1人苦笑いする。
香世が病室を一回りして忘れ物が無いか確認していると、パタパタと小さな足音が近付いて来る事に気付く。
続いて、ガラガラと扉を開ける音。
「お姉様ー!!」
香世が振り返ると同時に小さな弟が足元に抱きついて来る。
「龍ちゃん!」
香世もぎゅっと抱きしめて再会を喜ぶ。
「元気だった?龍ちゃんは大きくなったねー!」
3歳までの龍一の記憶しかない香世は弟の成長に驚き嬉しくなる。
続いて姉とマサが駆け付ける。
「龍一坊っちゃま、廊下は走ってはいけません。」
はぁはぁと息をしながらマサが言う。