私の彼は、電気系で探偵?!
警察署に着くと、仁王立ちで哉さんが立っていた。
「ようやく、来たか未王」
「おはようございます。哉さん、今回の事件はなんですか?」
「よくぞ聞いてくれた。まぁ、とりあえず署に入ってくれ。話はそれからだ」
「分かりました」
俺は、哉さんの後について行き署に入って行った。
すると、受付の前に俺ぐらいの歳の女警察官と目が合った。
その女警察官は、俺の姿を見るなり頬をほのかに赤らめた。
俺は気にも停めず哉さんの後について行く。
(だって、俺…彼女居るから。他の女には目をくれないんだよね)
とある部屋。
<見川探偵事務所>
「見川さん!、それに作家の暁山さんまで!お久しぶりです〜」
「あ!靱負くんじゃ!ほんと久しぶりだね!」
「靱負じゃん、お前……大変だな」
「あはは……まぁ」
「あの、高校生くんは?」
「居ないよ?」
「なんで?」
「電話にも出ないし、部屋に篭って出てこないんだって」
「そうなんだ」
「あ、未王」
「はい、なんでしょうか?哉さん」
「お前があの高校生に電話かけろ」
「はぁ?!俺が?まだ、なんの事件も聞いてないのに?!」
「あ、そうだったな。今回の事件は____」
「バラバラ事件」
「俺が言うつもりだったのに」
「え?バラバラ事件?」
「うん。未だに、頭が見つかってないらしいんだ」
「頭……どこもないの?」
「そこが、疑問なんだ」
「推理で、なんかわからないの?」
「思い当たる所はいくつもある」
「どこなの?」
「台所の下」
「台所の下?隠し扉的な……あれ?」
「あぁ」
「だけど、なんか変なんだよね?暁山さん」
「それは、どういうこと?」
「名前も知らない2人の存在があるんだ」
「え、何それ」
「だから、あの高校生に聞きたいんだが……」
「そういうことね?哉さん、高校生の電話番号教えて」
「スマホの電話帳に入っていないのか」
「うん」
「しゃーねーな」
俺は、哉さんに高校生の電話番号を聞き出した。
高校生に電話をかける。
直ぐに出た。
『……』
「草木さん」
『未王さん?』
「はい、未王です。お久しぶりです」
『なんの用?それに、俺の電話番号誰に教えて貰った』
「あ、ごめんね?警察官の哉さんに教えてもらったんだ」
『へ〜、で?今回の事件のことを聞きたいんだね?』
「そうみたい」
『未王さんも、大変だね。今日仕事は?』
「休み」
『そう。未王さん』
「はい」
『今回の事件の犯人は、2人居ます』
俺は、暁山さんを見て合図を送った。
暁山さんは、頷く。
『探偵になりすましている』
「なりすまし?」
『名前は、伊賀良謙也(いがら けんや)と西部暁山(にしべ あきやま)この2人は、悪友達です。
頭は、台所の下にあります。
あとは、任せました』
俺は、通話を切る。
「哉さん」
「あぁ」
「今回の事件の犯人分かりました。
伊賀良謙也さんと西部暁山さんです。頭は、推理作家の暁山さんが推理したように頭は台所の下にあるそうです」
「おかしいな。台所の下の扉はないはず……
ちょっと、待ってろ。上司に許可を取ってくる」
哉さんは、そう言うと部屋を後にした。