悪役令嬢は友人の恋の行方が気になる
こども保養園に行く日は、よく晴れた気持ちのいい天気になった。
ロベールが馬車で迎えに来てくれ、マリアの侍女も含め3人が乗り込む。ケント領は王都の隣りなので30分ほどで目的地に到着した。

こども保養園の園長は恰幅の良い年配のシスターで、穏やかな笑みをたたえた優しそうな人だ。マリアの事も歓迎してくれる。
子供たちも最初は遠まきにこちらを見ていたが、小さな女の子が数人話しかけてきてからは遠慮がなくなった。
今はバザーで販売するクッキーの紙袋に絵を描いている。
マリアにも何か描いてとせがまれるが、急な事ですぐには思いつかない。必ず描くから少し時間が欲しいと伝えて、保養園の庭を歩くことにする。

保養園の庭はこども達が全員入れるくらい広い芝生の周りに季節の花が見られるように花壇が配置されている。

マリアは花壇に沿って歩き始めた。
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