悪役令嬢は友人の恋の行方が気になる
しばらく歩いていると前方にロベールともう一人騎士らしき男性が話しているのが見える。ロベールの態度を見ると男性は上司のようだ。
男性はマリアを見ると近づいてきた。黒髪の彼が誰であるのか、目の前にやってきた彼を見て、マリアは息を飲んだ。
そして慌てて膝を折る。
マリアが声を発する前に男性は
「今日は身分を隠して来てるんだ。こどもたちに知られると困るから、マリア嬢も顔をあげて。」
と言う。
黒髪、黒眼の彼こそ王太子テオドロスだった。
「この保養園は王都の隣りだから王家からも支援していてね。時々様子を見に来てるんだよ。」
「素晴らしいお心掛けですね。」
「息抜きでもあるんだ。」
優しく微笑む王太子にマリアの胸は高鳴る。
「今日はあなたにも会えて幸運だよ。一緒にこどもたちと遊んでもいいかい?」
「もちろんです!こどもたちも喜ぶと思います。」
「では今日は僕のことはテオと呼ぶようにね。」
「わ、わかりました。よろしくお願いします。」
なぜマリアと会えて幸運なのか、王太子を名前で呼ぶなどできるだろうか。ぐるぐると考えていると、王太子に手を引かれた。
「さぁ、こどもたちのところに行こう。」
舞踏会で王太子の手を取れなかったのに、今日ここで触れられることはマリアの予想もしていなかったことだが、何も考えられなくなったマリアは、素直に王太子に従っている。
そんな2人を見てロベールは苦笑しつつもほっとした。
男性はマリアを見ると近づいてきた。黒髪の彼が誰であるのか、目の前にやってきた彼を見て、マリアは息を飲んだ。
そして慌てて膝を折る。
マリアが声を発する前に男性は
「今日は身分を隠して来てるんだ。こどもたちに知られると困るから、マリア嬢も顔をあげて。」
と言う。
黒髪、黒眼の彼こそ王太子テオドロスだった。
「この保養園は王都の隣りだから王家からも支援していてね。時々様子を見に来てるんだよ。」
「素晴らしいお心掛けですね。」
「息抜きでもあるんだ。」
優しく微笑む王太子にマリアの胸は高鳴る。
「今日はあなたにも会えて幸運だよ。一緒にこどもたちと遊んでもいいかい?」
「もちろんです!こどもたちも喜ぶと思います。」
「では今日は僕のことはテオと呼ぶようにね。」
「わ、わかりました。よろしくお願いします。」
なぜマリアと会えて幸運なのか、王太子を名前で呼ぶなどできるだろうか。ぐるぐると考えていると、王太子に手を引かれた。
「さぁ、こどもたちのところに行こう。」
舞踏会で王太子の手を取れなかったのに、今日ここで触れられることはマリアの予想もしていなかったことだが、何も考えられなくなったマリアは、素直に王太子に従っている。
そんな2人を見てロベールは苦笑しつつもほっとした。