悪役令嬢は友人の恋の行方が気になる
グロリス領での夏が過ぎていく。
時々王太子が保養園やグロリス領主館に現れ、調査と称してマリアやグロリス伯爵と会っていた。
そしてマリアは思った。
王太子テオドロスとは会っているが、婚約者候補のロベール様は一度も領地に来ていないのではないか。
特に会いたい訳ではないが、父の不興を買ったりしないと良いと思う。父は優しく穏やかな人物だが、マリアの婚約に関しては心中を察するのが難しかった。
社交シーズンの始まる秋の終わり頃、グロリス伯爵家の一行は王都に戻る。
馴染んだ保養園の子ども達には、来年また会えるから、と別れを惜しんだ。
グロリス伯爵家が王都に戻った一週間後、バイロン侯爵家から夜会の招待状が届いた。
ステファニーからのお茶会ではなくバイロン家からの招待だという事が、マリアを緊張させる。
王太子とステファニーの婚約を内々に発表するのかもしれない。いよいよ心に区切りをつける日が来るのか、とマリアは考える。
そんなことできるだろうか、あの優しい眼差しを忘れてしまう事など。
時々王太子が保養園やグロリス領主館に現れ、調査と称してマリアやグロリス伯爵と会っていた。
そしてマリアは思った。
王太子テオドロスとは会っているが、婚約者候補のロベール様は一度も領地に来ていないのではないか。
特に会いたい訳ではないが、父の不興を買ったりしないと良いと思う。父は優しく穏やかな人物だが、マリアの婚約に関しては心中を察するのが難しかった。
社交シーズンの始まる秋の終わり頃、グロリス伯爵家の一行は王都に戻る。
馴染んだ保養園の子ども達には、来年また会えるから、と別れを惜しんだ。
グロリス伯爵家が王都に戻った一週間後、バイロン侯爵家から夜会の招待状が届いた。
ステファニーからのお茶会ではなくバイロン家からの招待だという事が、マリアを緊張させる。
王太子とステファニーの婚約を内々に発表するのかもしれない。いよいよ心に区切りをつける日が来るのか、とマリアは考える。
そんなことできるだろうか、あの優しい眼差しを忘れてしまう事など。