悪役令嬢は友人の恋の行方が気になる

いざ舞踏会へ

煌びやかな王宮のホールは、普段王都の屋敷に引きこもっているステファニーにはかなり眩しい。エスコートしてくれる兄はこの場に慣れているのか、会場に居る友人達と談笑している。

壁際で、所在なくきょろきょろしているとホールの入り口に知った人物を見つけた。
シルバーブロンドの髪をアップにして翡翠のような瞳をキラキラさせているのは、グロリス伯爵家のマリアだ。ドレスは瞳に合わせたグリーンで、とても似合っている。
父親にエスコートされたマリアはステファニーを見つけると嬉しそうに微笑んで近づいてくる。
「ステファニーごきげんよう!会えて嬉しいわ!」
「私もよ、マリア。可愛いあなたに会えて嬉しいわ。」
さっきまで舞踏会は憂鬱だと思っていたが、マリアに会えばそんな気持ちはどこかへ行ってしまう。それくらいマリアは特別だった。
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