悪役令嬢は友人の恋の行方が気になる
悪役令嬢の未来は
王太子がマリアを王太子妃にすると発表した後、ステファニーはひっそりとその場を辞し中庭に出てきた。そろそろ秋の気配が色濃く感じられる。その中でオールドローズの芳香が存在感を主張していた。
バラの香りを感じていたステファニーに、そっと近づく人物がいる。招待客は皆、王太子とマリアの話題で持ちきりで、もうステファニーの事など誰も気にしていないはずなのに。
「ステファニー嬢、頑張りましたね。」
優しい声が耳朶を撫でる。
「私、ちゃんと悪役令嬢になれてた?」
「悪役とは言えないかもしれませんが、計画はうまく行きました。問題ありませんよ。それより、自分から家を出るなんて言うので驚きました。行く宛はあるのですか?」
「お父様にも迷惑かけたもの。私があまり出来が良くない事も社交界に広まりそうだし、お嫁に行くところもきっとなくなるわ。」
マリアと王太子が幸せになる事を願っていたステファニーは、使命を全うし、今は力が抜けまくっている。自分の事はあまり考えられていない。
ステファニーが脱力感でぼんやり薔薇をみていると、後ろから腕があらわれ背中に温もりを感じる。
これは…もしかして、抱きしめられているのでは?
今まで想像した事はあっても、されたことはない。慌てまくり、じたばたしても、騎士である彼に敵うはずもない。
「ロ、ロベール。な、何をしているの?」
バラの香りを感じていたステファニーに、そっと近づく人物がいる。招待客は皆、王太子とマリアの話題で持ちきりで、もうステファニーの事など誰も気にしていないはずなのに。
「ステファニー嬢、頑張りましたね。」
優しい声が耳朶を撫でる。
「私、ちゃんと悪役令嬢になれてた?」
「悪役とは言えないかもしれませんが、計画はうまく行きました。問題ありませんよ。それより、自分から家を出るなんて言うので驚きました。行く宛はあるのですか?」
「お父様にも迷惑かけたもの。私があまり出来が良くない事も社交界に広まりそうだし、お嫁に行くところもきっとなくなるわ。」
マリアと王太子が幸せになる事を願っていたステファニーは、使命を全うし、今は力が抜けまくっている。自分の事はあまり考えられていない。
ステファニーが脱力感でぼんやり薔薇をみていると、後ろから腕があらわれ背中に温もりを感じる。
これは…もしかして、抱きしめられているのでは?
今まで想像した事はあっても、されたことはない。慌てまくり、じたばたしても、騎士である彼に敵うはずもない。
「ロ、ロベール。な、何をしているの?」