悪役令嬢は友人の恋の行方が気になる

楽しそうな２人を見て、マリアは問いかける。
「おふたりはどうやってお知り合いに？」
「ロベールは王宮内でステファニーの護衛として部屋に控えていた。マリアのところに行くとき以外は、いつもステファニーの護衛をしていたのだ。」
「護衛というより見張りよね。他の人に何もしてない事がバレないように。」
「何もしてない？王太子妃教育を受けていたのではないのですか？」
マリアの疑問は最もだ。
それには王太子が答える。
「ステファニーは王宮に来ていたが、部屋にこもっていただけなのだよ。だから、夜会で告げたステファニーの評価はほぼ偽りだ。」
マリアは驚きステファニーを見た。
「そんな！…でもおかしいと思いましたの。ステファニーは優秀ですもの。私より劣るということはないはずですわ。」
「私の評価がどうなろうと気にしないわ。それよりもマリアに幸せになってもらいたかったの。殿下はあなたに振り向いて欲しくて必死だったし、あなたも殿下の事が気になっていたでしょう？」
ステファニーは笑顔で答えた。
「それに王宮の一室にこもっていたからといって、退屈ではなかったから、マリアが気にすることではないの。それより、ずっと本当の事を言えなくてごめんなさい。不安だったわよね。」