生徒会長さんの溺愛、とめられない。
第一章
突然のファーストキス
「ねえねえ、雪ちゃんでしょ?」
「やばい超可愛い! 今度俺とデートしない?」
はあ……まただ。
声をかけてくる、男の人たち。
入学してから三ヶ月しかたたないのに、もう何十回も。
「すみません。デートは、また今度で!」
「ああ……っ! ちょっとっ!」
少し強引だけど男の人たちの隙間を見つけて逃げ出した。
ううっ。ごめんなさいっ!
「声……かわよっ」
「生の天使ちゃん……話せちゃった」
私なんかに声をかけてくださる優しい人なのに……。
……傷ついてないだろうか。
いつも、とても心配になる。
それを夏帆ちゃんに言ったら、
「気にしなくていいのよ! 人たらし!」なんて言われちゃいそうだけど。
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