生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「私、お手洗い行ってきます」
「はーい」
美味しいご飯を食べ終わって、私は席を外した。
長くてキラキラとした廊下………。
こんな豪華なホテルに、友達と旅行……。
高校生なのにっ……こんな贅沢しちゃっていいのかなっ……?
私はウキウキしながら歩いていく。
「あれ? ここ、どこ……?」
いつのまにか、全く見覚えのない場所にいた。
う、うそ……。
私って、そこまで方向音痴でもないのに……。
「迷子になっちゃった、?」
ヒユッと焦りを感じた。
ここは、広いとはいえどホテルの中。
大丈夫、大丈夫。
そう自分に言い聞かせて、震える足で地図を探しに行く。
迷子になるなんて、久しぶりだ……。
「ちょっと怖いなぁ……」
思わず、本音が漏れた。
すると、荒れた息遣いとともに、私の、大好きな落ち着く腕に引き寄せられた。
「だ、大丈夫か! 雪……!」
ん、ん?
なんでこの人が、ここに……?
あれ、そういえば観覧車で??
「葉月せんぱい……!」
落ち着く腕の主は、葉月先輩だった。