生徒会長さんの溺愛、とめられない。



「葉月先輩、可愛いです」


言った直後、私はハッと我に返る。


今、私、すごく失礼なことを言ってしまったのでは……?


おそるおそる葉月先輩の顔をのぞきこむ。



「………え? 何それ……煽ってる……?」



葉月先輩の顔は苦しそうに歪んでいた。


………どうしよう、怒ってる……。


「葉月先輩、ごめんなさ……」


私と先輩の距離が縮まる。


言おうとした謝罪は、“それ”によって塞がれた。



一瞬のことだった。


可愛いリップ音……は鳴らず、唇と唇が柔らかく重なった。


それは、とびきり甘くて、とろけて、わずか数秒のこと。





「………ごめん、我慢できなかった」




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