生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「あ、私っ……行ってみたかったところがあるんですけどっ……」
「……一緒に行くか?」
「……はいっ!」
私の行ってみたかったところは、ネズミーくんをモチーフにしたカフェだ。
特に、夏限定のスパイシーカレーが美味しそうで……すごく食べたかったんだ。
お店は想像より並んでなくて、すんなりと席につくことができた。
「俺は、甘口カレーで、……雪は?」
「スパイシーカレーがいいです……!」
葉月先輩は甘口カレーを注文した。
その金髪の辛口な見た目からは想像できない、かわいい注文だ。
「雪、スパイシーカレーなんて食べられるのか?」
「食べられますよ?」
葉月先輩は驚いた表情を私にみせた。
……ふふっ。
辛いもの、苦手なのかなぁ……。
私がくすくすと笑っていたのに気づいたのか、葉月先輩は恥ずかしそうに目を逸らした。