生徒会長さんの溺愛、とめられない。



「シャンデリアが落ちてきたんだよ」


大きなものが落ちてきて、葉月先輩が私を守ってくれた。


そう理解したのは、事故の直後に、私の頬を撫でて、葉月先輩が笑ってくれたときだ。


その後、店員さんが駆けつけてきだけれど、二人とも軽傷だったため、レストランの店員さんが使う休憩室にお邪魔させてもらうことになった。



「雪……!会長さん……! 大丈夫!?」


夏帆ちゃんにも連絡したら、心配してすぐにきてくれた。


大雅くんも一緒だ。二人きりの時間、結局邪魔しちゃったな………。


「私はちょっと切っただけ。でも、葉月先輩は頭に傷が……」


「軽傷だったから病院とか行かずに済んだし、全然気にすんな」


葉月先輩……私に気を遣ってくれてる。


本当はレストランの人たちが、病院に連れて行ってくれるはずだったのに、私のことが心配だといって、葉月先輩は病院に行こうとしなかった。


あんなに尖ったものが頭に刺さったんだよ……?


腕にちょっと刺さっただけの私でもすごく痛かったのに


落ちてきたものは、レストランのシャンデリアだった。


元からグラグラしてして危険だったらしい。


葉月先輩は気づいてたのに、私が気づいてないせいで、葉月先輩に怪我させちゃった……っ。


その後も楽しい遊園地のはずなのに、罪悪感に押しつぶされそうになった。


思うように楽しめないまま、一日が終わってしまった。



< 118 / 118 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop