生徒会長さんの溺愛、とめられない。
先輩、顔も赤いし、熱でもあるのかな………?
そう思った私は、先輩のおでこに、手をぴとっとくっつける。
「……え」
「うーん、熱はないみたいですね……」
葉月先輩は慌てて、私の手を振り払った。
「さ、さわるな」
「……! ごめんなさい……」
先輩を気安くさわるなんて、良くなかったよね。
「ち、違う。そうじゃないからそんな顔するな」
「俺も男だから………手出すかも」
手を出す………?
葉月先輩となら、手くらい繋げるのに。
「葉月先輩になら、手出されても大丈夫です」
「……意味分かって言ってるのか? 勘違いするからやめてくれ……」
葉月先輩は、心配だなと言いながら頭を抱えこんでいた。
………?
そんなに心配しなくても、葉月先輩はいい人だ。
「じゃ、またな。何かあったら俺を頼れ、雪」
先輩は、手でクイッと、家に入れとジェスチャーをしていた。
ふふっ。心配性だなぁ……。
それをなんだか、ずっと見ていたいなと思った。