生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「こ、ここです! 葉月先輩」
私は遠くを見ている葉月先輩に聞こえるように、そう言った。
「雪、こんな近くにいたのか」
葉月先輩は下にいる私を見下ろして笑った。
その声がなんだか優しくて、少しホッとした。
「昼、一緒に食べようかと思ってたが、明日にしようか」
優しくそう言ってくれた先輩に、うなずいた。
横では夏帆ちゃんと大雅くんが、心配そうに見ている。
「葉月先輩、生徒会長さんだったんですね」
「……なりたかったわけではないがな」
……推薦だったのかな……?
生徒会長は選挙で決まるはず、だけど投票するのは三年生だから、あまり知らなかった。
「私は葉月先輩が生徒会長で、すごいなって思います。尊敬するお友達です!」
「……そうか」
葉月先輩は何かひっかかるような言い方をしていたけれどきっと褒められて照れてるんだと思う。
言ったら、怒られちゃいそうだけど。
でも、会長になるのって本当にすごいと思う。
しかも推薦だなんて、相当信頼されている証拠だ。
「ありがとう、雪。そういうとこも……好きだ」