生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「ふふっ、嬉しいです」
私がそう言って笑うと、葉月先輩は私の頭を撫でてくれる。
周りがざわつき出したのがわかった。
夏帆ちゃんと大雅くんも目を合わせて驚いていた。
………なんでそんなに驚いているんだろう?
くすぐったいけど、葉月先輩に撫でてもらうのは好きだな……。
「あ、そろそろ三年生は集会じゃないですか?」
「そうだな。貴重な時間、邪魔して悪かった」
「いえ! 先輩とお話できて楽しかったです!」
「ああ。いつか勉強会でもしようか」
………勉強会……!
楽しみだなあ。
私は葉月先輩に控えめに手を振って、黙っていた二人に話しかけた。
「ごめんね、二人とも。えっと、昨日お友達になった葉月先輩です」
「………もしかして、昨日言ってたイケメンさんって会長のこと?」
さすが察しのいい夏帆ちゃんだ。
大雅くんが「何、それ?」と言っているから、夏帆ちゃんが説明をした。
「ええっ、あの会長と、キスしたの?」
「キスっていうか、事故みたいな」
……それに先輩は、わたしとお友達になりたかっただけ……だと思う。
先輩には告白……をされたからあのキスの意味は、結局わからないままだ。