生徒会長さんの溺愛、とめられない。
私が尊敬の眼差しで見ていることに気づいた翔平は、口パクで“ゆーき”と呼んでくれた。
……ふふっ。
くすりと笑った私を見て、頭にはてなマークを並べている翔平。
さすが、天然だなぁ……。
「大好きな雪に、会えなくて寂しかった」
翔平は私の方を向いてそう言った。
甘めでささやくような声。
普段はパキッとした声だから、ギャップを感じてどきっとした。
「私も………」
私も翔平が好き。
そう言おうとしたら、翔平は私の手をひいて廊下を駆け出していった。
………えっと……急に走り出してどうしたの?
「ごめん、雪……」
「えっ、翔平?」
翔平は前だけを向いている。
その耳は、赤くなっているような気がした。
私はつられて照れてしまって、なんとも言えない空気が漂った。