生徒会長さんの溺愛、とめられない。
俺は頭の中が真っ白になった。
とんでもないことをしてしまった、きっと軽くて女遊びの酷い男だと思われた、だろう。
一目惚れ―――だったんだ。
頭がおかしくなった俺は、何を口にしたのか、よく覚えていない。
伊藤は案の定逃げていった。
この男と同じ空間にいたくない、襲われると思ったんだろう。
「雪……!」
聞こえているはずもないのに名前を呼んでひきとめようとする。
「やばい、何してんだ俺は………」
誰もいない図書室に、情けない独り言が響いた。