生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「またこんなことがあったら困るからな、送ろう」
「あ、ありがとうございまひゅ……」
………噛んだな。
その仕草も何もかも、全てが愛おしくて、帰り際には勇気を出して告白した。
流石に、付き合ってもらえるとは考えていなかったが、俺は伊藤の友人になることができた。
家の前で、ずっと俺に手を振ってくれる伊藤。
………心配だから、早く家に入ってくれ。
その姿は愛おしい、なんて言葉では言い表せないほどに可愛い。
俺は、なんて気持ち悪い男になったんだろう。
だが、伊藤の為なら、どんな悪人にも変態にも、なれるような気がする。
…………ていうか伊藤は、見た目だけではなく性格も天使のようで………。
普通はいきなりキスしてきた人にあんなに誠実に対応できない。
はやく、俺のものにしたい。
明日は昼休みに伊藤のクラスを探してまわろう。
普段目立つのは大嫌いだが、そんなことより、伊藤のそばにいたい。
………雪も、俺と同じ感情を持ってくれないかな。
俺は暗い空に流れる流れ星に、そう願った。