生徒会長さんの溺愛、とめられない。
距離が近づく勉強会
帰りのSHRが終わって、私は用意していたトートバックを持って、図書室への階段を駆け降りた。
トートバッグの中には、ルーズリーフや単語帳などの勉強道具が入っている。
以前、葉月先輩が放課後に勉強会をしようと言ってくれた。
私もいつかな、なんて楽しみにしていたので、今日のお昼に「今日の放課後、勉強会しようか」と誘ってくれたときは、すごく嬉しかった。
「葉月先輩! お待たせしました!」
図書室の扉を開けて中を見渡すと、一番奥のテーブルに座っている先輩が、ひらひらと手を振ってくれた。
その横で、司書の先生がにこにこ笑っている。
「あ、先生! こんにちは!」
「こんにちは伊藤さん。あたし、伊藤さんがこの図書室で彼氏と勉強会だなんて、まだ信じられないわ」
「………?」
「あら、なんでもないわ。……佐東くん、頑張って」
先生、今なんて言ったんだろう。
「雪、なにか勉強でわからないところはあるか?」
「あ、えっと……ここが苦手で」
葉月先輩の教え方はとても上手で、さすが生徒会長さんだなと思う。
お友達と勉強会なんて、青春っで感じで、わくわくする。