生徒会長さんの溺愛、とめられない。
すると一枚の紙が私の目に留まった。
『図書委員会中止のお知らせ』
今日、委員会なかったんだ………! よかった……!
安心した私は、落ちている紙に手を伸ばす―――。
はずだったけど。
「う、そ………や……っ!」
それは、一瞬だった。
バランスを崩し、頭から床へと倒れ込みそうになって………突然現れた“何か”が、私の体を包み込んだ。
ふわりと、シトラスの香り。
「………痛くない……?」
それを理解するまでに、どれくらいの時間がかかっただろう。
………なんだか、“何か”の上に乗っているような感じがする?
まさか………と思って下を向くと、ドアップの超イケメンさんの顔。
「ヘ……?」
私は、男性のお腹の上に乗っていた。
「………すみませんっ………!」
「………あ……別に」
慌てて謝罪すると、イケメンさんはけげんそうな顔をした。
絶対重かった……恥ずかしいっ……。
す、すごく不快そうな顔……。
申し訳なさでいっぱいになった。
私が離れようとすると、イケメンさんが私の肩を抱き寄せて。
苦しそうな顔をしているな、思ったその時だった。
………ち、近い。
思わず目をつぶると、唇にやわらかいものが重なった。