生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「あら?まだいたの二人共」
ガラリと扉が開いて、用事を済ませたらしい先生が戻ってきた。
「雨が強いから、もう図書室は閉めるわ。危険だから、佐東くん。伊藤さんを送っていってあげなさい」
「いえ、一人で帰れま………」
「言われなくてもそのつもりだ」
「ふふっ、そうよね。伊藤さん、危険だから甘えておきなさい」
ひ、一人で帰れるけど……。
雨が強いみたいだし、ここは甘えておこうかな………あはは……。
「雪、傘は持っているか?」
「折り畳み傘なら持ってます」
「そうか。すまないが、入れてくれないか」
葉月先輩は傘を持っていないらしく、私の傘に入って一緒に帰るみたいだ。