生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「雪、大丈夫か。濡れていないか」
「大丈夫です」
葉月先輩とは方向が同じということだったので、家の近くまで送ってくれるらしい。
いつもの利用している学校から徒歩10分ほどの場所にある駅につくと、葉月先輩は濡れた折り畳み傘を畳んでくれていた。
………葉月先輩って気が利くし、とても綺麗な人だから、モテるんだろうな……。
電車の中は雨ということもあり、すごく混んでいて葉月先輩とはぐれてしまいそうだった。
「せ、先輩……」
「どうした? 乗り間違えたか?」
「いえ。はぐれてしまいそうなので、手を繋いでいても………いいですか?」
「あ、ああ。構わない」
おそるおそる手を繋ぐと、先輩は怒っているような顔をしていた。