生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「いやいや、林はよくできていたぞ」
担任の先生がそう言うと、クラスのみんなは大爆笑した。
恥ずかしそうに、頭を掻く大雅くん。
………照れてる照れてる。
「あ、廊下に順位が張り出されてるから、今からの昼休み、チェックしておけよー」
先生がそう言って、休み時間に入った。
「雪ー! 一位確定だから興味無いだろうけど、成績表見に行こー」
夏帆ちゃんがそう言って、私の手を引いて廊下に連れて行ってくれた。
「みんなの名前、どこかな?」
………あともうちょっと身長があれば……!
前にいる人を押しのけるわけにもいかないから、ぴょんぴょんしながら自分の名前を探していた。
廊下には思ったより人がいて、葉月先輩の姿も見つけた。
「雪………! 見えない?」
私を心配してこっちに来てくれた葉月先輩は、腕を私のお腹に回して、私を持ち上げてくれた。
「………っひゃあ……」
くすぐったくて思わず間抜けな声が出た。
………みんな、こっちを見てる……。
抱っこしてもらうなんて………流石に恥ずかしい……。
「へ、変なところ触った……? 悪い!」
「く、くすぐったくて………ん……」
「あ、ああ。ごめん、動くよ」
葉月先輩は持ち上げ方を変えて………お姫様抱っこにして廊下を歩いていく。
「………ぁ……ん……?ど、どこに行くんですか?」
「………二人きりになれる場所」
私は廊下にいる生徒さんたちが、こっちを見てくるのが恥ずかしくて、葉月先輩の胸に顔をうずめた。
「………っ」
葉月先輩が息をのむ音が聞こえた。