生徒会長さんの溺愛、とめられない。
「…………へっ………やめ……」
びっくりして、思わず間抜けな声が出た。
「………え」
私が拒絶したことで、唇を離したイケメンさん。
私の顔を見て、イケメンさんはすごくびっくりしていた。
もしかして、人違い……?
図書委員が珍しくいない日だから、イケメンさんは彼女さんを待っていたのかも。
ファーストキス………。
こんな形ですることになるなんて……。
「……わ、悪い」
私が止めたことで、ショックを受けた様子のイケメンさん。
なんだが、申し訳ないな……。
「す、すみませんでした。人違いなんです!」
慌ててイケメンさんの手を振り払って、逃げ帰ってしまった。
「雪……!」
イケメンさんが私の名前を呼んだ気がしたけれど、きっと気のせいだ。
「………やばい、何してんだ俺は……」
イケメンさんがそんなことを呟いていたとは、頭いっぱいになっている私には知る由もなかった。