生徒会長さんの溺愛、とめられない。


「あの……? 大丈夫ですか?」


「………え……」


葉月先輩、やっぱり今日、様子がおかしいよ……。

もしかして……。


「あつっ。先輩、熱あるじゃないですか……!」


先輩のおでこを触ると、尋常ではないほどの熱が伝わってくる。


息も辛そうだし……こんな体で、お姫様抱っこなんてさせちゃったんだ……。


「実は……朝から体が……だが大丈夫だ、心配するな」

「心配します……! とりあえず、横になってください……!」


私は先輩の頭を自分の膝の上において、寝かしつけた。


………膝枕……ちょっと照れるけど、ここじゃ地面は硬いだろうし……。


保健室に連れて行くにも、私じゃ運べないだろうし……屋上だから、一階の保健室に行くにも、つらそうな葉月先輩をおいていくわけには………。


「雪、保健室とかいいから。ここにいて」


私が迷っていると葉月先輩がそういった。


………風邪のときって、誰かがそばにいてほしいもんね。葉月先輩がいいなら、そばにいておこう。


膝枕で落ちついたのか、葉月先輩の寝息がきこえてきた。


「ふふっ、可愛い……」


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