生徒会長さんの溺愛、とめられない。


「もぉー! 自習サボって帰っちゃうなんて!」

「ご、ごめん……。ちょっといろいろあって……」


シャンプーのいい匂いの中に、夏帆ちゃんの声が響いた。


ここは夏帆ちゃんの家で、今は一緒にお風呂に入っている。


夏帆ちゃんにメールしたあと、『今日家泊まる?』という連絡がきたので、即オッケーした。


二人お風呂に入っているのに、体が全然触れない広い浴槽。


相変わらず、立派すぎるお家……。

小学校の友人だった夏帆ちゃん。実は中学校は別々だったんだけど………こうして時々お泊まり会をしていた。


泡をふぅっと飛ばしたりして、おそろいのヘアターバンをしている。

浴槽にはおしゃれな板とジュースが浮いていて、写真映えするお風呂だ。


「その“いろいろ”が知りたくて、お泊まり誘ってるんだよ? さあ、教えなさい?」


「うぅ……結構恥ずかしいんだけど……」


私は、必死に言葉をつむぎながら、屋上であったことを話した。


「……で、びっくりしちゃって……熱の葉月先輩、おいてきちゃって………」


私が説明している間、ほんわかした顔、歯ぎしりをしている顔、ニヤニヤした顔など、夏帆ちゃんはとっても表情豊かだった。

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