生徒会長さんの溺愛、とめられない。


「えっと………私は、そんなことないって思うけど………」


私からしたらそう見えるだけで、夏帆ちゃんは深く受け止めているのかもしれない。


そんなことない、の一言で片付けるのは、失礼だと思う。


「……どうして、上手くいってないと思ったの?」

「私……バカだからさ。次席の大雅と付き合ってたり、首席の雪と親友だったり……翔平だってオール4で、トップ10に入ってるでしょ? ……釣り合わないよ」


気にして、たんだ………そんなこと。

私達と、釣り合わないって思ってたんだ………。

確か、夏帆ちゃんはオール3……バカじゃない、3の幅は大きいから……。


「かほちゃ………」

「雪、今“3の幅は広いから、4よりの可能性だって十分ある”って言おうとしてたでしょ、分かるよ」


「………っ」


図星すぎて、言葉に詰まる。

どうしよう、ここで何か言わないと……夏帆ちゃんが本当に傷ついちゃうよ……!


「ショックだよ……釣り合わないって。夏帆ちゃんは、そんなこと気にしてたの?」


「………あは。違うよ……、私じゃなくて………」


夏帆ちゃん、無理してる………無理して、笑ってる………。


言葉を詰まらせ、口を震わせながら小さく聞こえたその言葉に、私は耳を疑った。


「気にしてるのは、………大雅だよ……っ」



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