生徒会長さんの溺愛、とめられない。
ジェットコースターは一番人気だけど、最初だったから結構空いていた。
だから、すぐに乗ることができた。
発進のブザーが鳴って、アナウンスが入る。
……うわぁ、ドキドキする……っ!
『それでは、テンションMAXなネズミーとの旅を、お楽しみください――』
ぐいん。
勢いよく進んだコースターに、後ろの方の席から悲鳴が聞こえた。
「けっこう登るねー?」
「うわぁ、やば。落ちる落ちるっ……!」
ジェットコースターは横に二人ずつで、最前列に夏帆ちゃん・大雅くん、その後ろに私と翔平という並びになった。
夏帆ちゃんと大雅くんが隣になったのは、ラブラブ作戦のうちでもある。
「怖いっ……大雅、手繋いで……?」
「………っ」
よしっ。私はガッツポーズをした。
作戦その1、“ジェットコースター手繋ぎ”作戦だ。
それも、甘えた感じで、この頃消えていた“女らしさ”を思い出させるんだっ……と夏帆ちゃんは言っていた。
「……? どしたの雪。変なポーズして」
「ああ、翔平。これは………」
ひとつ、夏帆ちゃんとの約束があった。
それは、『男子たちにはこの作戦のことを伝えない』というもの。
なんで素直にガッツポーズなんてしちゃったんだ私っ……!