生徒会長さんの溺愛、とめられない。


ぐわん、ぐわん。

地面がまわって………っ。


『プルルル――ネズミーとの旅はいかがだったでしょうか? 終点でーす―――』


アナウンスとともに、ゆっくりと停まったコースター。


後ろの方に座っている、他のお客さんたちが、ぞろぞろと降りていく。


私達はシートベルトを外したあとも、少しだけ余韻に浸っていた。


「はぁ〜、楽しかったね……!」

「それはもう。最前列だよ?」

「大雅はどーお? 怖かった?」


私、夏帆ちゃん、翔平の3人で話していると、大雅くんは後ろでヨロヨロと歩いていた。

ふらついている大雅くんに、翔平がからかうようにして声をかける。


「まじで…………やばすぎ」


下を向いて暗めのテンションでそう言った大雅くん。


……あれ? 好きじゃなかったのかな?


そう思ったのも束の間。


「ま……っじで! 楽しかったっっぁ!!!」


びっくりするほどの満面の笑みの大雅くん。


ふふっ。やっぱり大雅くんと言ったら絶叫系だよね。


「だよねだよねっ……! 私もすごく興奮したよお……!」


「やっぱ俺、絶叫系が一番好きだわ……スリル味わえるっていうか………!」


………分かる。すごく分かる………!!


目を輝かせて語り合う私達に、夏帆ちゃんと翔平は呆気にとられている。


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