生徒会長さんの溺愛、とめられない。


「いやー。ひっどい写真だね………」


本当に、ごもっともです……。

プリントされた写真を見て、わたしと翔平はがっくりと肩を落とした。


「結局、あれ以外のスポット、見つからなかったね………」


夏帆ちゃんも残念そうな顔をしている。

フォトスポット、すぐに見つかるものだと思ってたけど………なかなか見つけられないものなんだなっ。


画用紙で作られた、顔はめパネルみたいなものはあったけど………カメラがなかったんだよね……。


「次は、観覧車並ぼっか」

「うん。ゆっくりできるといいね……」

「あれ……? どうしたの大雅くん……?」


ふと、大雅くんの異変に気づいた。

顔、赤い……?

熱……? それとも……。


「もしかしたら、照れてるのかも」


夏帆ちゃんが、こっそり耳打ちした。

………大雅くんが、照れて……。


「き、貴重だね……」


「……うるせ」


私がそう言うと、さらに真っ赤になった大雅くん。

着ているスポーツブランドのパーカのフードをかぶって、顔を隠してしまった。


これは………。


「成功だね……! 夏帆ちゃん……!」


夏帆ちゃんと肩を抱き合って、喜んだ。


「作戦1は効いてないっぽかったからなあ……作戦2が効いたみたいで、良かったわ……」


不審そうにこっちを見ている大雅くんを見ながら、聞こえないようにして話す。

………ふふっ。実は………作戦その2は、もう実行してたんだ。


作戦その2。不意打ちに「スキ」と言う。

ほっぺにチューして撮ってみよう、のときに、夏帆ちゃんはこっそりそれを実行していた。


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